ドイツが誇る文化とはいわばその恐るべき組織力の別名である = 2-2 = 第 443号

 この情報収集と学習の過程ではまた、誰もが

異口同音にメルケルの理解の速さを絶賛する。

 ブメーロはこう述べている。

 「メルケルは一を聞いて十を知り、その記憶力

は世の常のものではない。

 担当の官僚が太刀打ちできないほど、その

記憶力ははるかな過去に遡り、かつ

また実に細部にわたる。

 誰かのある発言がいつ、どこであったか、

メルケルは忘れることはない」

 彼女が首相になりたての頃、専門的な知識を

持った連立与党の閣僚は、メルケルは知識に

乏しいだろうからうまく操縦できると

思っていた。

 だが、そのうちメルケルは細部にわたって

専門知識をすっかり吸収するので、思惑

通りに丸め込むことはできなくなった。

 メルケルは「象のような巨大な記憶力」

を持っている。

 それほど彼女の勉強と学習は集中的だった。

 だが、彼女はなかなか決断を下さない。

 すでに決断している場合でも、外に明らかに

するまで時間をかける。

 それが傍目からは、狐疑逡巡を続ける優柔不断

な指導者に見えてしまうが、実は決定を

表明するタイミングを計っている。

 厳しい決断には必ず、タイミングという

ものがある。

 遅すぎてもいけないが、早すぎてもいけない。

 メルケルは、厳しい決定を下すに当たっては、

「それしか仕方がない選択肢」を選ぶことが

もっとも肝要だと考えている節がある。

 難しい問題を解決する上で、厳しい選択肢

しかないのが普通だ。

 メルケルは、時間の経過とともに選択肢が狭まり、

やがてそれ以外の選択肢しかなくなるポイント

が訪れることを知っている。

 その時点では、メルケルの下した決定が最善では

ないにせよ、まだましであるように見える。

 その結果、国民の反発は緩和される。

 メルケルはそのようにして決断の機が

熟するのを待っている。

 グッテンベルク元国防相によれば、メルケルは

できるだけ長時間、さまざまな選択肢を保つ

「スタミナ」を持ち、決定を明らかにする

ときは複雑なオブラードにくるむ。

 そうすることによってメルケルは、何度も

決断を変えることが容易になり、その

変心は誰にも気づかれない。

 コール首相もかっては「待つ政治家」と云われた。

 この場合、「待つ」というよりも、「耐え抜く」

という語感のドイツ語が使われる。

 政治家には楽な季節よりも苦しく厳しい

時間のほうが多い。

 メルケルもまた、師匠のコール同様、「待つ」

ことの大切さを熟知している。

 彼女は、「時とは恵みのしたたり」であり、

決断を引き延ばすことからむしろ有利な

状況が生まれ、誰かが自分の味方に

立つことを知っている。

 それがメルケルの政治に対する

アプローチともなっている。

 メルケルはいつも結果から、出口から考える。

 まず結末をイメージしてからプロセスに入る。

 実現可能な成果を想定し、その成果を導くため

の方程式を考えるのが「メルケル脳」だ。

 彼女にとって、カオスはもっとも避けなければ

ならない状況である。

 また彼女は、問題を解決するに当たっては、

問題を分割して「下部問題群」に再構成し、

個別に解いていくやり方をとって

いると指摘される。

 昔から、「ドイツ的組織力」あるいは、「ドイツ人

のシステム構築力」は恐るべきものとして

周辺国から不気味に思われ、警戒の的

となっている。

 マッキンダーは「ドイツが誇る文化とはいわば

その恐るべき組織力の別名である」

と書いている。

 メルケルはそうしたドイツ的能力に潤沢に

恵まれている。

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 今回も最後までお読みくださり、ありがとう

             ございました。 感謝!

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