ロスチャイルド家が力を入れたのは教育.全人格的な教育を子に授けた 第 419号

 世界金融、経済、文化、芸術に絶大な影響力を

持ちながら、その素顔はほとんど知られて

いない「ロスチャイルド家」の面々。

 本当のお金持ちとは、なんと愉快な面々なのか。

 本書は、構想から足掛け十余年をかけ、池内紀

がその一族の素顔に迫ったものである。

 初期ロスチャイルドの19世紀前半、5人兄弟

が各地に散って精力的に事業を展開していた。

 そのころは、「ロスチャイルド」を錦の

御旗にしていた。

 それが「信用と安心」の代名詞になった

ころから、しだいに戦略を変えた。

 なるだけ目立たず、表に出ない。

 「沈黙は金」であって、みずから語らず、

また人に語られないのをよしとする。

 20世紀、ロスチャイルド家は自分たちの役割が

大きく変化していることを、正確に見てとった。

 産業界の主役ではなく、裏方の立場に留まる。

 金融のプロとしての役割を果たせばいい、と。

 ロスチャイルド家の家訓にはこうある。

 「最大をめざすな。されど最良をめざせ」

 実質的な初代ロスチャイルド、膨大な富の基礎

を築いた人物は、マイヤー・アムシェル。

 父の代で一族はすでに貸金と両替だけでなく、

織物、塩、穀物、紅茶なども扱っていた。

 小さな商社といったところで、取扱品目のリスト

には、絹や宝石やアクセサリーも入っている。

 1810年、ネイサン・ロスチャイルドは、

ロンドンに建物を手に入れた。

 現在のロスチャイルド銀行の住所と同じ。

 一族は律儀に発祥の地を守り続けている。

 おりしもナポレオンのロシア遠征、諸国民解放

戦争、ナポレオン退位、ウィーン会議、

ワーテルローの戦いなど、ヨーロ

ッパは激動のさなかだった。

 どの国も軍備拡充におおわらわで、喉から

手が出るほど金が要る。

 国債、公債、手形、証券が乱れとんだ。

 ヨーロッパ金融の中心であるロンドンにあって、

ネイサン・ロスチャイルドには並外れて

有利な点があった。

 フランクフルトの兄のほか、ウィーン、

ナポリ、つづいてパリに兄弟が散って、

刻々と情報が入ってくる。

 わずか10年でロスチャイルドの

資本が30倍になった。

 5人兄弟の財務の才とともに、確実な

情報を握っていたからである。

 ロスチャイルドは情報ネットを

完成させた。

 その情報システムは2つの要因から

出来ていた。

 1つは、より多くの、より正確な情報を

集めること。

 もうひとつは、より早く、より確実に

伝達すること。

 まず各地に代理人がいた。

 交通の要所、商業都市、政治の中心地

ごとに、地元の銀行家や商人、ジャー

ナリストと代理人契約を結んでおく。

 経済や政治にわたるニュースが送られてくる。

 情報のシステム化とは別に、5人兄弟みずから

相互に取り決めをしていた。

 毎日欠かさず手紙を出すこと。

 財務や取引だけでなく、それぞれの国の

経済や政治的出来事を報告する。

 より多く伝えるため、書き方を

統一していた。

 ロスチャイルド家の紋章があり、3つの

ギリシャ語がついている。「調和、

公正、勤勉」

 結婚戦略と並んで、ロスチャイルド家が

力を入れたのは教育だった。

 ひとことでいえば、、男女を問わず全人格的

な教育を授けて、比類ない紳士・淑女

に仕立てること。

 男子の場合はきちんとマネジメントを

修めている。

 ソロバンのできるジェントルマンと

いうわけだ。

 もの心つくやいなや、家庭教師を雇って

教育にあたらせる。

 言葉は、5ヶ国語を基本にした。

 英語、ドイツ語、フランス語、

イタリア語、ヘブライ語。

 カリグラフィーという書き文字を学ぶ。

 悪筆では紳士淑女は通らない。

 会話術の手ほどきも受けた。

 さらにダンスや乗馬。

 ハデ好みのパリ・ロスチャイルドと比べ、

ロンドン・ロスチャイルドはいつも

地味で通してきた。

 「目立たない」をモットーにして

きたかのようだ。

 フランスのポンピドゥー大統領と

ロスチャイルドは興味深いテーマだ。

 ポンピドゥーはひところ、パリ・ロス

チャイルド銀行の大番頭だった。

 彼はフランスの名門、エコール・ノルマル・

シュペルエール卒業の秀才。

 ドゴール将軍の懐刀だった。

 ドゴール政権誕生とともに、官房長官に

なったが、意見の違いで辞任。

 だが政権にとって、この逸材は

どうしても必要だった。

 泥沼のアルジェリア戦争に対して、

ポンピドゥーは民族解放戦線と

秘密交渉を重ね、戦争終結

をもたらした。

 民間に下っていた間、ギー・ド・ロス

チャイルドの招きに応じて、銀行

経営に加わっていた。

 「ロスチャイルドをめぐる一冊の本を

書くこと」は、ヨーロッパの歴史家が

一度は夢見るテーマだそうだ。

 とりわけ近現代史にかかわりがある場合、

繰り返し考える。

 ロスチャイルド一族を語らないで近現代史

を語ることができようか。

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  今回も最後までお読みくださり、ありがとう

             ございました。 感謝!

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