一人ひとりが持っているものを上手に引き出す人間力が要求される 第 335号

 日本の伝統建築に一生を捧げる建築家・今里隆さん。

 常に新しいものを創造することを課せられた

建築家にとって、最も大切な資質について

語っていただきました。

────────[今日の注目の人]───

★ 創造の源は人間力 ★

今里 隆(建築家)

   ×

村上 和雄(筑波大学名誉教授)

───────────────────

【村上】

 建築家として常に新しいものを創造する上で、

どんな力が必要だとお考えですか。

【今里】

 想像する力というのは、その人間の人間力に

関わってくると思いますね。

 もっとも、それは特別な能力ではなく、いろいろな

ことをやっていくうちに自然と備わってくる

ものではないでしょうか。

 建築家にとってお施主さんとの関係を良好に保つ

ことがもちろん大切ですが、やはり頻繁に現場に

出掛けて棟梁をはじめ、左官や建具の職人

さんたちと仲良くなることも大切な

ことの一つです。

 そうすることで、一人ひとりが持っている

ものを上手に引き出すことができます。

 職人というのは、「これはよい建築になりそうだ」

というのは図面を見ただけで瞬間的に分かる

ものです。

 ただ、そうはいっても人間、なるべく楽を

しようと思うこともある。

 だから、言葉は悪いかもしれませんが彼らを

乗せて、その力を引き出しながら

最高のものに到達させる。

 オーケストラでいえば、私たち建築家の仕事

というのは、指揮者の役割を果たして

いると思うのです。

 そのためには建築に関する知識だけじゃなく、

美術や歴史など広い分野にわたる勉強が

必要であるし、お施主さんに信頼され、

職人さんたちがこの仕事は面白い、

やりがいがあると思ってもら

えるような人間力が要求されます。

 人間との調和を図ることが、よい建築を造り

上げていく上でとても重要なことですね。

【村上】

 研究も一人ではできないのでチームを

組んでやりますが……

※ただ伝統に縛られるのではなく、一つ

先の時代に合わせて新しい日本建築を

模索し続ける今里さんの話の続きは、

本誌でお楽しみください!

 『致知』2016年7月号  

         連載「生命のメッセージ」P112

http://online.chichi.co.jp/ext/teiki.html

今回も最後までお読みくださり、ありがとう

             ございました。 感謝!

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