出逢いこそ運命.魂がぶつかって生まれるもの『運命を切りひらくもの』 第 343号

 累計約一千万部の大ベストセラー「大水滸伝」を

生み出した作家・北方謙三氏。

 全盲ろうのハンディキャップを乗り越え、

東大教授になった福島智氏。

 これまで二百以上もの北方作品を点字で

読破し、「地球人の中で最も会いたい人」

と福島氏が語っていた運命の出逢い

から一年半あまり。

 その後も含め、計三回の対談を重ねた

二人による魂の対話録が、このたび

一冊の本となって刊行されます。

 互いに深く尊敬し合う二人が自らの

ルーツや越えてきた試練、逆境、

人生観や仕事観などについて

語り合いました。

 自らの人生や人間そのものを深く見つめて

きた二人の交わす言葉は非常に重く、

かつ深いものがあります。

 対談の中では、『水滸伝』や『三国志』などの

創作秘話も語られるなど北方作品ファンに

とっても必読の内容です。

 北方謙三氏が、福島智氏に初めて出逢った時の

エピソードを本書の「まえがき」に感動的に

綴っておられます。

 その冒頭部分をお届けします。

………………………………………………

 まえがき  北方謙三

………………………………………………

私が部屋へ入っていくと、

彼は立ちあがった。

顔はいくらかずれていたが、

躰は真正面で私にむいている。

眼も耳も不自由な人である。

自己紹介したあと、

どうしていいかわからず、

私は宙に手を泳がせてしまった。

言葉はすぐに届かないのだ、と

くり返し自分に言い聞かせた。

それでも自然に手が差し出され、

握手をした。

気配を把握する力は、

私などよりずっと強いのだろう。

私は、掌に集中した。

思いはすべて、そこにある。

なにかが、通じたような気がした。

お互いの命。

生きているよな、という感覚。

あるいは、よう、という出会いの挨拶。

盲ろう者、福島智との対談である。

不安と戸惑いがまとわりついていたが、

それは握手でかなり消えた。

会話がはじまった。

私は、ことさらゆっくりと喋り、

それがあまり意味のないことだと、

しばらく気づかなかった。

早口であろうがどもろうが、

指点字の通訳者の人に、

まず伝わればいいのである。

ほとんど間を置かず、言葉が返ってくる。

指点字を受信し、漢字への変換も

脳内で瞬時に行われ、

驚くほど正確にこちらが言ったことを

把握した上での、返ってくる言葉なのだ。

鈍い健常者と話すより速く、

会話が進行しているような気さえした。

不思議な空間に

迷いこんでいるという思いに、

私はしばしば襲われた。

これが、福島智との、

会話のはじまりである。

途中から、盲ろう者と喋っているのだと、

私は思えなくなった。

そして、言葉が、

ただの言葉ではなくなったのだ。

意味は、通じ合う。

意味以上のなにかを帯びて、

二人の間で言葉が躍る。

掴みどころがないのに、

輝きだけは感じる。

そんな表現しかできない。

(……続きは本書でご覧ください)

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出逢いこそ運命。

魂がぶつかって生まれるもの

『運命を切りひらくもの』

 北方謙三/福島智・著

 定価=本体1,200円+税

【先行予約スタート】

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…………

 目次

…………

 第一章 未来をひらく道

 第二章 逆境が自分を育てる

 第三章 生きて、生きて、生き切れ!

・最初の一行が出てくるまで苦しみ続ける

・イメージはどこから生まれてくるのか

・人生にマニュアルを求めるな

・いまも大切にしている父からの手紙

・極限体験が創作の土台に

・惚れた相手は鏡に映った自分である

・いろんな国の女性たちと仲良くなる秘訣

・言葉がなければ人間の魂は死んでしまう

                  ……etc

 今回も最後までお読みくださり、ありがとう

            ございました。 感謝!

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