国民が十分な教養をもつようにならない限り世界の混迷は永遠に続く 第1,297号

 「教養」とは、世の中に溢れるいくつもの正しい「論理」

の中から最適なものを選び出す「直感力」、そして「大

局観」を与えてくれる力だ。では、教養を身につけ

るためにはどうしたら良いのか。教養の歴史を

概観し、その効用と限界を明らかにしつつ、

数学者らしい独創的な視点で「現代に

相応しい教養」のあり方を提言する。

 とっさに適切な判断を下せる「直感力」。事の軽重を

正しく見極める「大局観」。生きていくうえで

最も必要な力は、教養によって培われる。

 本を読まないのは、不幸な人生。良書を読むことで、

人間はいくつになっても、あっという間に思考や感

覚が鋭く、そして大きく変貌することが可能だ。

 日本の大衆文化は、世界の宝だ。大衆小説、歌謡曲、

漫画から近年のアニメ『君の名は。』まで、大衆

文化には日本人のずば抜けて繊細な美的

感受性が溢れている。

 庶民の教養こそが、国家を守る。江戸時代末期、

江戸に来たイギリス人たちは、普通の庶民が

立ち読みする姿を見て、「この国は植民

地にはできない」と早々に諦めた。

 国家には品格を、国民には教養を。国民が教養を

失ったとき、民主主義はもっとも危険な政治

体制となる。国民が十分な教養をもつ

ようにならない限り、 世界の混迷は永遠に続く 。

★藤原正彦『国家と教養』

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 今回も最後までお読みくださり、

        ありがとうございました。感謝!

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