基礎知識をしっかり身につけ.特定の情報にこだわらず多くの情報を集める 第 622 号

 新聞記者は現場がすべてだ!スクープを

取るには現場百回

 日経社長を告発した敏腕記者がイトマン事件

等の取材を回顧しつつジャーナリズムと

企業の関係を問う。

 「刑事コロンボ」で起きる殺人事件は

物的証拠がないことが多い。

 コロンボはそれを状況証拠の積み重ねで、

目星をつけた犯人を追い詰めていく。

 物的証拠があれば、犯人を自白に

追い込むのは簡単である。

 状況証拠だけで、自白に追い込む

のは至難の業である。

 それをやってしまうのがコロンボである。

 「新聞記者はこれだ。この手法だ」ドラマを何本か

みているうちに、私ははたと思ったのである。

 新聞記者は人に会って話を聞いて記事を書く。

 もちろん、秘密の文書を入手して、それを基に

記事を書くこともあるにはある。

 いってみれば物的証拠である。

 しかし、それはそう多くはなく、やはり話を

聞いて記事を書くのが基本である。

 取材相手が誰にでも喋る話を聞いて

もスクープにはならない。

 秘密の話を聞かなければ意味がない。

 しかし、秘密の話を聞けることはめったにない

 あるとしても、大抵、「OKを出すまで記事に

するな」といった条件が付けられる

 こうした条件を付けられずにスクープをものに

するには、コロンボのように状況証拠を積み重

ねて、取材相手に秘密を白状させる他はない。

 スクープ取材を成功させるための条件とは何か。

 コロンボがドラマの背後で積み重ねたはずの自己研鑽

をすることであり、それが成功への第一歩である。

 わたしは入社して1年して、精密機器業界を

担当することになった。

 わたしは企業の業績を調べるため、第一勧銀の

丸の内支店にアポなしで訪ねた。

 それがきっかけで、「無頼派」支店長の深津健一

氏から「課外授業」が始まった。

 深津支店長は、支店長室でわたしと話を

しながら、こう言った。

 「おまえは新米だな。よし教育してやろう。

時間はあるんだな。そうか。隣に行こう」

 こういいながら、若手行員数名を引き連れ、

となりのレストランバーに行った。

 深津支店長は、「君な、企業業績や財務を取材する

なら、まず財務諸表が読めなきゃな。それから財務

分析もできなきゃ駄目だぞ」と言うなり、やおら

講義を始めたのだ。

 「在庫が増えたら要注意だ」とか「支払手形と受取

手形がどうなっているか。時系列でみろ」「割引

手形が増えているのか、増えていないか」など、

バランスシートの読み方を延々と説明していく。

 時が経つにつれ酔いが回ったのか、支店長の

ベランメー調に拍車がかかった。

 「企業取材の勉強は、銀行の融資担当者

の仕事と同じだ」

 翌日の土曜日、深津さんは、黒田精工、東京

精密両社の決算数字を使った資料を基に説明

してくれたので、私のような新米記者にも

よくわかる説明だった。

 30分ほどで、説明が終わると、深津支店長は

私に向かって、「君、企業の取材するなら、こ

ういう分析を自分でやれなきゃ駄目だぞ。勉強

しなきゃ。銀行の融資担当者と同じなんだ」

私が頷くと、「よし、じゃ、隣に行こう」

と言って、立ち上がった。

 昨日と同じメンバーで、水割りを飲みながら、

深津支店長の説教を2時間ほど聞かされた。

 彼は別れ際に、「これからも来い。わからない

ことがあればいくらでも教えてやる。来るんなら

土曜日だ。それも午後1時過ぎに来い。いいな」

 私にとって深津健一支店長は経済記者としての基本

を教えてくれた、一生忘れられない存在である。

 30年近く経った今でも、その風貌は脳裡に甦る。

 ポマードできれいに固めた頭、浅黒いが端正な

顔立ち、部下を叱咤するバリトンの声。

 丸の内支店の「隣」の薄暗いレストランバーの中で

水割りを飲みながら、説教する姿が今も思い浮かぶ。

 コロンボ警部のような経済記者になるには、

企業会計の知識は必要条件だ。

 ただこの知識はイロハのイにすぎないのである。

 他には、財政や税制、金融政策、国際金融

などの知識も当然必要だ。

 そして大事なのが過去の経済事件などに

ついての知識である。

 スクープをものにするには、まず、基礎知識を

しっかり身につけ、できる限りの情報を集める。

 次に、特定の情報にこだわらず、大局観を

常にもって取材しないといけない。

 そして、自分なりのニュースの絵を描き、

その絵を念頭において、粘り強く取材する。

 そうすればスクープは手の届くところに来る。

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 今回も最後までお読みくださり、ありがとう

              ございました。 感謝!

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