奪うに益なく譲るに益あり.譲るに益あり奪うに益なしこれが天理 = 2-1 = 第1,145号

 尊徳の身辺で4年間暮らした門人福住

正兄が翁の言行をまとめた不朽の名著

『二宮翁夜話』が、報徳記念館初

代館長・佐々井典比古氏の読

みやすい現代語訳となっ

て甦りました。

 本書には、広く知られる、水車やたらい

の水積小為大の説話はもちろん、「家

を興すのも積小から」「貧乏神・疫

病神の住所」「変事に備える道」

などなど、人々の心田を耕し、

人生を繁栄に導くための

心得を分かりやすく詳述。

 門人たちとの問答の中には翁の笑い声

まで再現され、まるで翁が直接教え

諭してくれているような感覚

を覚えるほどです。

 かの森信三先生も『修身教授録』の中で、

日本人の先哲の中で、最も優れた偉人

として、二宮尊徳を挙げるととも

に、「『二宮翁夜話』は、われ

われ日本国民の『論語』と

言ってよいかとさえ思

うほどです」と述べておられるほどです。

 その二宮尊徳の説いた訓えの結晶

ともいえる『二宮翁夜話』。

 日本人なら必ず一度は読んでおき

たい不朽の名著です。

 本書の中から、非常に有名な「湯ぶね

の教訓」の説話をご紹介します。

……………………………………
〔172〕 湯ぶねの教訓
……………………………………

 嘉永五年の正月、翁は著者の家(箱根町

湯本)の温泉に数日入湯しておられた。

 著者の兄の大沢精一が翁のおともを

して入浴した際、翁は湯ぶねのふち

に腰かけて、こうさとされた。

――世の中では、そなたたちのような

富者が、みんな足ることを知らずに、

飽くまで利をむさぼり、不足

を唱えている。

 それはちょうど、おとながこの湯ぶね

の中に突っ立って、かがみもせずに、

湯を肩にかけながら、湯ぶねが

浅すぎるぞ、ひざまでも来

ないぞと、どなるようなものだ。

 もしも望みにまかせて湯をふやせば、小さ

い子どもなどは湯にはいれなくなるだろう。

 だからこれは、湯ぶねが浅いのでは

なくて、自分がかがまないこと

が間違いなのだ。

 この間違いがわかってかがみさえ

すれば、湯はたちまち肩まで来

て、自然と十分になるだろう。

 ほかに求める必要がどこにあろうか。

 世間の富者が不足を唱えるの

は、これと何ら変りはない。

およそ、分限を守らなければ、

千万石あってもなお不足だ。

 ひとたび分に過ぎた過ちを悟って分度

を守れば、余財がおのずからできて

きて、十二分に人を救えるはずだ。

 この湯ぶねが、おとなはかがんで肩に

つき、子どもは立って肩につくのを

中庸とするように、百石の者は

五十石にかがんで五十石の

余財を譲り、千石の者は

五百石にかがんで五

百石の余財を譲る。

 これを中庸というべきだ。

………………
原著者略歴
………………

福住正兄――ふくずみ・まさえ

1824-1892 江戸後期~明治時代

の農政家。二宮尊徳の門人。

文政7年相模に生まれる。箱根湯本の

旅館福住楼の養子となり、師の

報徳思想で家業を再興。

小田原藩校集成館で国学を教え、報徳社

を設立して報徳運動を指導した。

明治25年没。本姓は大沢。通称は九蔵。

号は蛙園、福翁。著作に『富国捷径』など。

…………………………………………

不朽の名著、やさしい現代語訳で甦る

『二宮翁夜話』

福住正兄・原著 佐々井典比古・訳注

定価=本体2,800円+税

【詳細・ご購入はこちらから】

今回も最後までお読みくださり、

             ありがとうございました。感謝!

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