幅広く深い世界を知っておかなければ生き残れない時代 第1,227号

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1 いまの時代こそ古典を学べ
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 數土文夫(JFEホール

        ディングス特別顧問)
×
出口治明(立命館アジア

     太平洋大学〈APU〉学長

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 古典を学ぶこと、そして歴史を学ぶこと

の本当の意義について、お二人に熱く

熱く語り合っていただきました。

     ─────

【數土】
人生100年時代と言われているいまこそ、

私は古典の言葉や故事成語が生きてくる

と思います。70歳や80歳になっても

元気に働き続けるためには、「大

器晩成」。これは『老子』の

言葉なんですよね。

 

 小さい時から競争してしまったら、途中

で燃え尽きたり、疲れてしまう。です

から、遠大な志を持って慌てない、

淡々とゆっくり努力を積み重

ねていくことが大事なんです。

【出口】
稷下の学といって、古代中国の斉では、

都の臨淄の稷門外に学堂を建て、広く

天下の学者を集めて邸宅を与え、

自由に研究させたんですよね。

 

 アズハル大学というエジプトにある世界

最古の大学の三信条に「入学随時、受講

随時、卒業随時」とあって、この言葉

が僕は好きなんですが、要するに

知りたいという気持ちが湧い

た時に入学すればいいし、

入ったら単位に囚わ

れずに、本当に

学びたいことだけを

勉強し、腹に落ちたら

いつ出て行ってもいい。

 

 いまリカレント教育ということが叫ば

れていますが、世の中の進歩ってもの

すごく速いですから、例えば10年

くらい働いて、世の中が進歩

したら、大学で勉強し直す。

で、また戻ってきて仕事をする。

 そうやって何回も何回も勉強して

皆がお互いに高め合っていくことをしな

いと、AIが普及するにつれてどん

どん脳が退化していくんじゃ

ないかと思います。

【數土】
まさに先ほどの「游(ゆう)」

の境地ですね。

【出口】
いまGAFA(グーグル、アップル、

フェイスブック、アマゾン)をはじ

め、世界を牽引している企業で

働いている人はものすごく

勉強していて、ダブル

マスター、ダブル

ドクターの人が多いん

ですよ。しかも、統計学

とか数学だけではなく、文学

とか美学とか哲学の学位を持っている。

 そういう世界を知って初めて、面白い

アイデアが出せるわけです。

 

 もっとも、大学院の免状を取れと言って

いるのではなく、例えば、『論語』と

『老子』と『韓非子』を勉強する

ことがダブルマスターであり

ダブルドクターであって、

一つだけに決め打ち

しないで幅広い

分野を勉強していかないと

これからの時代のリーダーには

なれないという気がしています。

【數土】
世の中の変化が激しくなるにつれて、人

間の精神状態も社会の富の配分や格差

も大きくなる。その中でどう生き

ていくべきかという答えは、

2,500年前、3,000年前

の古典にすべて書いてある。

 

 だから、古典を幅広く読まなきゃいけ

ない。これからの時代、ますます

古典が重要になってくると、

声を大にして言いたいですね。

【出口】
全く同感です。まさに數土さんがおっ

しゃったように、社会の変化が激し

いので、将来何が起こるか分か

りませんよね。でも、悲し

いことに教材は過去し

かないんですよ。

 

 だから、逆説的ですが、何が起こるか

分からない時代になればなるほど、歴

史や古典を学び、人間が五千年に

わたって営んできた幅広く深い

世界を知っておかなければ

生き残っていけない。

 

 『致知』2018年12月号

       特集「古典力入門」P66

 

今回も最後までお読みくださり、

     ありがとうございました。感謝!

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