平和を保つ唯一の道は自国を守る体制を整える 第1,251号

 平和への願いは世界共通の思いであって、

 チベットでは、かつては朝から晩まで

平和を願い続ける僧侶が27万人もいた

といいます。しかし、現在はと言え

ば、チベット人たちの国土は中国

に奪われようとしています。


幼少期に祖国チベットを追われ、日本で

言論活動を続けるペマ・ギャルポさん。

最新号に収められた「私の提言」には、

日本人に目を覚ましてほしいという

思いが込められています。

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 ペマ・ギャルポ(拓殖大学教授)
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 一国のリーダーに必要なことの一つは、国民

に夢を与えて、それを共有することです。



 習氏が2049年に世界第一の国になると公言

したのは恐ろしい話ですが、これはこれで

中国にとっての“夢”であることは確かでしょう。


 戦後、日本は経済的な豊かさを求めて走り

続けました。国民はマイカーやマイホームを

手にするという夢を共有しましたが、それ

はいわば掛け声のようなもので、国と

してのビジョンではありません


 漂流を続ける日本は、国民全体と共有でき

る国家ビジョンをこの辺りでそろそろ

打ち立てるべきだと私は考えます。

(中略)

 私の日本への提言は、積極的に国連改革を

進めながら、平和の大切さを世界に伝える

国になるというビジョンを描くことです。

 国連の存在意義は大きく国際平和の

構築と人類の発展の二つです。

 私は世界で唯一の被爆国で、経済力がある

日本こそが、その推進役に相応しいと考

えます。「日本国憲法」と「国連憲章」

は、その根底に流れる思想が共通し

ていることもその理由として

挙げられます。

 地域や人口のバランス、世界への貢献度と

いう点で常任理事国は現在の五か国の

ままでいいのかという問題も含め

て、日本はこれからさらに国連

の運営に関して積極的に発言

を強め、ぜひ常任理事国

入りを果たすべきです。

(中略)

 軍事力を強化すれば戦争が起きる、

憲法九条は絶対に変えてはいけ

ない、という根強い意見があります。



 私はそういう人たちによく考えてほし

いのです。恒久平和を念願するという

ことなら、侵略される前のチベット

にも朝から晩まで平和を祈り続け

る27万人もの僧侶たちがいました。


 しかし、中国はそんな罪なき人々を

無慈悲にも投獄、虐殺し国土

を奪ったのです。

 

「九条を守れ」と主張する人の中には、侵略

軍に占領されて非武装のまま抵抗すること

を主張する人や、軍事的に抵抗すること

はかえって国民の犠牲を増やす、と

訴える人もいます。



 しかし、侵略され植民地化された国の実態

や人々の悲しみを知る私には、いずれも到

底受け入れることのできない発言です。

 現実を知らない人間の単なる

戯言のようにしか響きません。

 法整備をして自国を守る体制をしっかり

整えることが、現段階では平和を

保つ唯一の道なのです。


【『致知』のキーワード】

・一国のリーダーに必要なことの一つは、

国民に夢を与えて、それを共有すること

・日本は、国民全体と共有できる国家ビジ

ョンをこの辺りでそろそろ打ち立てる

べきだと私は考えます


 『致知』2019年1月号

    特集「国家百年の計」P30

今回も最後までお読みくださり、

             ありがとうございました。感謝!



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