心からのお詫びと感謝の気持ちを送ることで.恨みや憎しみが消える 第 796 号

 人間誰にでも訪れる死。

 死をどのように迎えるかは、私たちに

とって大切なテーマです。

 長年、人々の死と向き合ってきた鈴木秀子

さんの話に耳を傾けてみましょう。

───────「今日の注目の人」───

鈴木 秀子(国際コミュニオン学会名誉会長)

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 私は長いこと、亡くなる方の心に

寄り添ってきました。

 枕元でお祈りをし、「いま、何かしたい

ことがありますか」とお尋ねすると、

にしこりの残る人は、皆さん「あの人

ともう一度仲直りをしたい」

とおっしゃいます。

 魂の深いところでは誰もが皆と繋がって

いたいと願っているからです。

 ある教え子の家庭の話ですが、遺産相続を

巡って奥さんとそのお姉さんが喧嘩をし、

30年間、お互いに顔を合わせること

なく憎み続けていました。

 ある時、奥さんは病に倒れ、余命数日と

いう状態になりました。

 見舞った私に細い声で「姉さんともう

一度、仲直りがしたい」と言います。

 しかし、家族は「この場に及んで嫌な思い

はさせたくない」と大反対でした。

 聞くと、お姉さんは一時間以内の所

に住んでいるといいます。

 「これは会わせてあげなくてはいけない」と

思った私は「すぐに呼んでください。

 私が傍についていますから大丈夫です」と

家族を説得して、お姉さんに来ていただく

ように連絡を取ってもらいました。

 そこで驚くようなことが起きました。

 病室に来たお姉さんは妹の名前を呼んだか

と思うと、飛びつくようにベッドに駆け

寄り、奥さんもそれまでの重篤な状態

が嘘のように体を起こして、思いっ

きり抱き合ったのです。

 「ごめんなさい、私が悪かった」

 「こちらこそ、ごめんなさい」

 そう言いながら滂沱の涙を流し、積年の

恨みを消し去っていったのです。

 奥さんは間もなくして亡くなりましたが、

いまでも忘れることのできない光景です。

 生前、このような「仲良し時間」を持つこと

は、幸せな人生を送る上でとても大事です

 中には遠くにいて会えなかったり、

既に亡くなっていて時間を共有で

きない場合もあるでしょう。

 そういう時でも、相手をイメージしながら

心からのお詫びと感謝の気持ちを送ること

で、恨みや憎しみを消すことができます。

鈴木さんの連載は文学を通して人生を

学んでいくものです。

 鈴木さんのお話の魅力を誌面で

味わってみてください。

 『致知』2017年10月号【創刊記念号】

      連載「人生を照らす言葉」P112

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愛読者からの『致知』へのメッセージ
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 AIをはじめ、科学技術が人間の存在を凌駕

しかねない現代、大きな課題が私たちに

突き付けられています。

 「人間にとって最も大切な物は何か?どの

ようにしたら人間が宇宙の中にあって、

人間らしく成長できるか」――

 『致知』こそ、この問いかけに応える、

力強い道しるべといえます

───鈴木秀子
   (国際コミュニオン学会名誉会長)

今回も最後までお読みくださり、ありがとう

            ございました。感謝!

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