悠久のときの流れの中にある自らの生命を自覚する 第1,387号

2019/05/01 (水) 19:00

 激動の明治時代を生きた女、杉本鉞子(1872‐1950)。

戊辰戦争で賊軍と呼ばれた長岡藩の筆頭家老の

娘として生まれた彼女は、13歳での婚約、

渡米、二女の出産、夫の死などを

経て、アメリカで自伝的エッ

セイ『A Daughter of the Samurai』を著した。

 その本はたちまち大きな反響を呼び、世界7か国

で翻訳され、日本でも『武士の娘』として出版

された。武家の躾、男の覚悟、女の道、夫婦

の絆、親の看取り―名著に活き活きと

描かれた「明治人の美徳」

 江戸から明治期の生き方について伝えてくれる書

として、杉本えつ子の『武士の娘』がある。

 『武士の娘』を読み辿れば、おのずとかつての

日本人のえも言わぬ精神の高貴さ、言動、立ち

振る舞いの美しさに触れることができる。

 えつ子は、代々長岡藩の城代家老を務めてきた

稲垣家の六女。明治維新後の生まれであるが、

彼女の受けた教育は、まさに武家の教育そのもの。

 えつ子は幼い頃から、家の菩提寺の僧侶を師と

して学問を学んだ。最初に学んだのは「四書」、

つまり「大学」「中庸」「論語」「孟子」

である。これらはすべての学問の基礎とされた。

 上に立つ者は厳しく自らを律する。それが

日本人の基本的な姿勢だった。自らを律

するとは、欲望に走らないだけでなく、

自分自身の立ち振る舞いにも、厳

しい規律を課すというもの。

 習字で身に付ける「心の制御」。準備を整えて

学ぶ習字は、教養としても、また複雑なあの

運筆を辛抱強く練習することによって、

精神力の抑制ということが練り鍛え

られる。精神修養の重要な柱とされる。

 心の制御は所作の美しさにつながる。お茶の

作法などは、まさにこれにあたる。作法に

理屈はない。所作の美しさにも理屈は

ない。何かを学ぶときは、ある

時期、理屈抜きで素直に

師匠の言葉に従うことが大事。

 茶道のよさは、美しい形が身に付くこと。

座ったときにも自然に背筋がすっきり

と伸びる。その姿勢は、女性であ

ろうと、男性であろうと、

堂々とした、とても美しいもの。

 花嫁修業は、家の伝統継承の機会。それは

世代から世代への価値観の貴重な

継承の場面である。

 日本語でも、英語でも、古典に取り組むことは、

読解力や知識をつけるだけでなく、人間の基

本を築いていくうえで本当に大切なこと。

 お盆をはじめ、日本の伝統行事や風習にはそれ

ぞれ、日本人とはどんな人たちなのか、どん

な民族なのかを伝えてくれる、興味

深くも重要な意味がある。

 こうした伝統や作法を守ることは、日本人が

日本人であることの意味を大切に受け

継ぐことを意味する。

 それは、悠久のときの流れの中にある自ら

の生命を自覚することでもある。

 日本人の看取り方。えつ子は、母の体調が思わ

しくないとなると、姉家族と暮らす母のとこ

ろで生活をはじめる。この暮らしは、母

を看取ることを前提とした暮らし。

 これが日本人の人生最後の過ごし方であり、

過ごさせ方であった。最後の瞬間まで家

族が一緒にいてくれるのは、死にゆ

く人にとって、おそらく、一番うれしいこと。

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 今回も最後までお読みくださり、

       ありがとうございました。感謝!

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