文化遺産としての日本語の価値 第1,401号

 明治大学教授の齋藤孝さんが出版された『齋藤孝

のこくご教科書 小学一年生』が反響を呼んで

います。どのような素材を提供すれば

子供たちの学力や心は育まれるのか。

 教育界で克服しなくてはいけない問題とは何なの

か。陰山ラボ代表の陰山英男さんとともに

語り合っていただきました。

 当たり前のことにいま頃気づいたのですが、

勉強嫌いがいつ生まれるかといった

ら1年生の時なんですね

 これまでいろいろな子を見ていて感じるのは、

1年生から2年生までは学力は結構上がった

り下がったりするんです。しかし、3

年生である程度のレベルに到達す

ると、6年生までほぼ順位が

変わらない。そう考える

と、1年生の段階で

学力を一定レベルまで

高めておけば、3、4年生

で躓くことが少なくなります。

 僕は、小学一年生の学習が、人生のレベルを

決めると思います。音読をやって計算が速

くなるとか、「百ます計算」を続けて

社会科の点数が上がる、というこ

とは日常的に経験することです。

 子供のうちから力のある文章を読ませる基礎

トレーニングはとても大事だと思います。

 文章の力強さが学力や逞しいメンタルを育てる上

で大きな働きをすることは間違いないでしょう。

 小学生には『論語』の「己の欲せざる所、人に施す

勿れ」という章句が人気が高いと聞いたこともあ

りますが、古典はそれだけ心の琴線に触れる

力があるからこそ、今日まで残ってきた

と思うんです。学習には、そういう

「文化遺産を継承する」という

ような絶対的な意味合いが

必要なのではないでしょうか。

 理科の教科書にニュートンの法則が出てきますが、

これは絶対的ですよね。国語でいえば『万葉集』

であり『百人一首』です。こういう取り替え

不能な題材でラインナップを組むことが

教科書の質であり核となります。

 その意味では、いまの国語の教科書の題材は取り

替えがきくものばかり、という印象は拭えませ

んね。それを教える教師も文化遺産を継承

する使命感がないまま教壇に立つなど

ありえないと私は思っています。

 
 
 

 今回も最後までお読みくださり、

       ありがとうございました。感謝!

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