本を読み自分の情念に耳を澄ませば必ず自分の財産になる 第 1,941 号

 適切な言葉を選べなければ、深い思考は出来

ない。表現することはおろか、悩むことすら

出来ない。人は言葉を獲得することによっ

て人生を生き始める。だから読書するこ

とは重要なのだ。本は最も身近で最も

安価な人生を切り拓く決定的な武器だ。

 「読書によって言葉を獲得することは経営者

のみならず、すべてのビジネスパーソンに有

用だ。寝ずに働くより、素晴らしい言葉を

一つ編み出すだけで意欲をかきたて、チ

ームを団結させることができる。僕は

見城さんに読書のすべてを教わった」

   ―サイバーエージェント社長 藤田晋

 読書を通じて、一生で経験できない

ことを学ぶ。

 読書とは、「何が書かれているか」では

なく「自分がどう感じるか」だ。

 人間は言葉で思考する。言葉を使って自らの

生や死について考え、相手に想いを伝える。

 読書で学べることに比べたら、一人の人間が

一生で経験することなど高が知れている。読

書をすることは、実生活では経験できない

「別の世界」の経験をし、他者への想像

力を磨くことを意味する。

 本のページをめくればめくるほど、人間の

美しさや醜さ、葛藤や悩みが見えてくる。

そこには、自分の人生だけでは決して

味わえない、豊饒な世界が広がっている。

 僕は編集者という仕事をしている。編集者の

武器はただ一つ、「言葉」だけだ。言葉に

よって作家を口説き、心を揺さぶり、

圧倒的な熱量の作品を引き出す。

 多くの経営者やビジエンスパーソンにとって

も、言葉が武器であることは変わりないだろう。

 少しでも、相手の心情に寄り添った表現を

したい。正確な単語を使いたい。そのため

の武器となるのが、読書によって培われ

る、他者への想像力と語彙力である。

 高校までの読書体験で実感したのは、人間が

何かを達成するには地獄の道を通らなければ

ならないということだ。どんな美しい理想

を掲げても、実際に成し遂げるためには

数多の苦しみ、困難がある。

 テクノロジーが発達した現代でも、本という

ローテクなものの価値は失われていない。

一心不乱に本を読み、自分の情念に

耳を澄ます時期は、必ず自分の財産になる。

 見城徹『読書という荒野』

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 今回も最後までお読みくださり、

    ありがとうございました。感謝!

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