死とは決して恐怖の対象ではなく母親の温かい懐に帰ること 第 339号

 東洋思想研究者の田口佳史さんは、若い頃、

ドキュメンタリー映画の監督でした。

 タイで水牛を撮影していた時、悲劇は

起こります。

 田口さんは水牛に襲われ、生死を彷徨う瀕死の

重傷を負うのです。

 田口さんがはどのようにしてその絶望的状況を

乗り越えたのでしょうか?

────────[今日の注目の人]───

★ ビジネスマンよ、腹中に書を持て ★

田口 佳史(東洋思想研究者)

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 私は大学を出ると映画会社に入社し、そこで

ドキュメンタリー映画の監督をやっていました。

 昭和42年、ベトナム戦争の最中でしたが、

戦争の映画を作りたいと思ってタイの

バンコクに飛びました。

 撮影は順調に進んでいて、その時、目の前に

立派な二頭の水牛が現れたんです。

 私は何としてもカメラに収めたいと思って

近づいて撮影し、車に戻ろうとした瞬間、

後ろからいきなり襲われたんです。

 鋭い角でボンと持ち上げられるように

串刺しになり、内臓が飛び出す

重傷を負いました。

 自分で飛び出した内臓を身体の中に入れて、

バンコクの病院に運んでもらったのですが、

そのおかげで本当に奇跡的に一命を

取り留めることができたんです。

 ただ、しばらくは生死を彷徨っている状態で、

きょう目を閉じて眠れば死んでしまうのでは

ないかという恐怖感に苛まれていましたね。

 しばらくしたら、私の事故を伝え聞いた

在留邦人の皆さんが梅干しや本など

いろいろのものを差し入れて

くださって、そういうものの中に

『論語』と『老子』が入っていたんです。

 『論語』はあまり印象に残らなかったの

ですが、『老子』を読むと、とても心が

落ち着くわけです。

 いま思うと、そこで説かれている死生観

が私の心に深く沁み入っていった

のでしょうね。

 『老子』は人間は道という根源から生まれ

出てきて、亡くなるとまたその道に帰る

と説いています。

 道とは何かといえば、郷里の肝っ玉母さんの

ような存在なんです。

 つまり、死とは決して恐怖の対象ではなく、

母親の温かい懐に帰ることなんだと。

 そう考えることで心が穏やかになり、

病状も非常によくなってきました。

※生死を彷徨った時だったからこそ、古典の

教えが田口さんの心に深く浸透して

いったのでしょうね。

 古典の魅力を、ぜひ『致知』七月号で

感じてみてください。

 『致知』2016年7月号  

         特集「腹中書あり」P64

今回も最後までお読みくださり、ありがとう

             ございました。 感謝!

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