水ほど柔らかくしなやかなものはない 第1,261号

  現実に疲れたなら、ここに帰っておいで。「あるが

まま」の現実を生きたとき、人間が求める

愛と安堵、そして平和がある。

 そこで語られる『道(タオ)』という世界は、人間の

本質を的確に見抜いた上で提示される、もうひと

つの世界の姿であり、 人間の性(さが)を介入

させない「あるがまま」の現実です。

 その存在に気づいたとき、人生は

一変すると老子は説きます。

 

 「過去」があるのではない。

 「記憶」や「記録」が、いま、あるんだ。

 「未来」があるのではない。

 「希望」や「予測」が、いま、あるんだ。

 混乱の時ほど、くつろぎを。

 武力で平和は訪れない。

 タオに沿って君主をサポートする者がいたなら、

世界を武力で押さえつけようとはしないだろう。

 武力を用いれば、必ずなにかのカタチでしっぺ

返しを食らうことを知っているからだ。

 力で無理矢理押さえつけたところで、いずれ

その力も衰える。「無理」は文字通り「理

が無い」と書く。タオに背いた不自然

な振る舞いだ。不自然な振る舞い

は、早くに行き詰まるものさ。

 これはなにも大きな戦争などに限った話じゃない。

日常における、ちょっとしたいざこざにも言え

ることだよ。仮に戦に勝ったとしても、そ

れを美談にするようじゃダメだ。

英雄になってはいけない。

 敵といえど、多くの人を殺してしまったことを、

悲哀をもって泣く。戦いに勝っても、葬儀

の作法をとるんだ。川の流れのように

タオは、ずっと「あるがまま」。

 どんなものであれ、威勢が良すぎると、かえって

衰えるのも早いのさ。理にかなってないね。

不自然な振る舞いは、すぐに行き詰まる。

 掴み所のない人本当にわかっている者なら、多くは

語らない。わかっちゃいないヤツほど口数が多い

のさ。タオを生きてる人間なら、無駄に口

を開かない。口どころか、目も耳も、

無駄には使わない。ただ飄々と、

己の心のトゲを抜き、こん

がらがった心のもつれを解き、気づき

と調和しながら、塵舞う世間に混じっている。

 大きな国を治めるなら、小魚を煮るときのように、

いたずらにかき回さないことだ。つつくほど

に、 形が崩れてしまうからね。

 へりくだる力、大国は、大河の下流。すべての

流れが交わるそこは、世界中が慕う女性のよう

なもの。いつの時代も、男が女性に敵わ

ない理由は、女性が、じっと静かに

下手に出るからだ。

 大国だからこそ、ものごし静かに小国にへり

くだって接することだ。そうすれば、小国

からの信頼が得られる。 そしてまた、

小国の側もへりくだって大国に接

すれば、 大国の信頼を得ることができる。

 ゆえに、知識に頼って国を治めようとすれば、災い

を招く。頭は物事を複雑にし、ハートは物事を

シンプルにする。知識に頼らず国を治める

なら、幸福は訪れる。

 深い慈愛がある人は守りが固く、負けることがない。

それは、天もまた慈愛をもって守護してくれるからだ。

 優れた武士は威圧しない。

 秀でた戦士は怒らない。

 よく勝つ者は争わない。

 上手に人を使える人は、へりくだることができる。

 これが争わず、人の力を用いる「天の采配」。

 いにしえから伝わるタオの極意だ。

 究極の兵法、兵法に、こんな言葉がある。「戦は

先に仕掛けず、受け身の立場を取れ。一歩進もう

とするより、一歩後退せよ」と。無い部隊を

進め、無い拳を振り上げ、無い武器を身

につける。こちらからは喧嘩は売ら

ない。それよりも、相手が、何

を恐れているのかに目を向けるんだ。

 師匠は水。この世に、水ほど柔らかくしなやかな

ものはない。しかし、堅くて強いものを攻める

のに、水に勝るものはない。水に代わるもの

がない。しなやかなものが強いものに勝

ち、柔らかいものが堅いものに勝つ。

世間の人もよく知っていること

だけど、実行できる人は少ないね。

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今回も最後までお読みくださり、

ありがとうございました。感謝!

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