潔さと勇敢さそれに弱者へのいたわりを身をもって知らしめる 第1,259号

 明治維新の孤高の英傑・大久保利通の寒々と

して痛ましく、凄まじい執念の生涯を冷徹

に、史実に基づいて描ききる。

 維新以後「富国強兵」「殖産興業」の2大スロー

ガンを掲げ、史上最強の組織「内務省」を創設

し、不人気を覚悟で僅か11年の間に近代

国家日本の基礎を作った 。

 大久保が内務卿の時代は、いまだ幕末動乱の

殺伐とした風が抜けず、志士あがりや豪傑

を気取る府県の知事・県令たちは、板垣

退助内務大臣時代とは比較にならない

強者揃いだった。にもかかわらず、

大久保が地方官会議の会場に

入るや、一斉に私語はやみ、

内務卿を揶揄するどころかその

眼光をさけるべく、強者たちが申し

合わせたように俯いた。

 大久保は何事においても慎重であり、決して

博奕を好まなかった。つねに最善をつくし

ながら次善の策を準備し、それがだめ

ならさらにその次善を探求すると

いった着実さだった。

 一度手がけたことを途中で放棄

するようなことは全くなかった。

 大久保のバックボーンとなったのは、薩摩藩

独自の教育である郷中制度であった。

 これは武勇を尊ぶ薩摩藩が、泰平の世になって

「武」が衰えることを憂い、恐れ、藩を挙げ

て熱中した少年教育の制度であり、地域

(郷中)をひとつの単位として、藩士

の子弟に自治組織をつくらせ、

相互に切磋琢磨させた。

 文武の指導はもちろんであるが、むしろ「心の

爽やかさ」を高め合うことに目的が絞られた。

 言い換えれば、潔さと勇敢さ、それに弱者へ

のいたわりを身をもって知らしめることが、

郷中教育の目的で、薩摩藩では、武士

の学問・武芸以上に尊ばれた。

 大久保も「郷中」のなかでもまれ、組織と

いうものの仕組み、強さと機動性、集団

心理などを体得し、後年、組織運営の

名人として、絶妙の冴えをみせた。

 「郷中」のリーダーシップをとることで、大久保

はこの組織力を背景に、青年期にはいると薩摩藩

の実務畑官吏となり、短期間に藩官僚の階段を

駆け上がって、さらに日本という歴史の

大舞台を登り詰めていく。

 

 郷中での学問は、『四書』『五経』

の素読、暗唱などであった。

 また、「伊呂波歌」「歴代歌」「虎狩物語」など、

藩の選定した歌や物語を暗唱した。

 大久保は生涯、愚痴を言わなかった。

愚痴は理非の分別をもたず、

非建設的で無益である。

 彼は愚痴るかわりに考えた。「家族を守るために、

実力を培い、藩内でのし上がる以外にない」

 栄達・出世をとげるためには、機会をとらえて

それに乗るための洞察力、行動力を磨か

なければならなかった。

 大久保が逆境の中で、自らの立場を悟り、

この苦境からはいあがろうと決意した時、

であったのが「陽明学」であった。

 大久保はやがて、朝廷、幕府、諸藩の虚々

実々な駆け引きの渦中に身を置き、

策謀の技術を実践的に学んだ。

 大久保はいくつかの書簡で、こう繰りかえしている。

「組織を支えるのは人心であり、人心を納得させる

のは当事者の公正な態度である」

 戊辰戦争において、大久保は軍事に関して盟友の

西郷隆盛を実質的な東征軍司令官として立てている。

 自らは、後方にあって地味な「兵站」

業務を受け持った。

 新政府で事実上の宰相を務めるようになった

大久保は、自ら行財政の知識や近代的実務

に暗いという弱点を認識していた。

 さらなる未知の海外をも体験

したいと意欲を示していた。

 どちらかといえば現実思考の大久保が海外

視察使節団に加わったことは、42歳に

してみせた決断であった。

 やらせると決めたからには大久保は部下に

全てを委ね、その責任を自らが負った。

 徳川家康と大久保は、実によく似ていた。

 創業から守成への大転換を見事に乗り切った統率力、

思考方法や決断の仕方、実行に至る手順の踏み方など。

 二人の常勝組織をつくるに当たっての

人材登用も凄まじかった。

 大久保も家康を目標として、お手本としていた。

 加来耕三『不敗の宰相、大久保利通』

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今回も最後までお読みくださり、

   ありがとうございました。感謝!

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