現在そして将来にその教訓を生かすため歴史を研究し学ぶ 第 323号

 小室/直樹 (著者略歴)
 政治学者、経済学者。1932年東京生まれ。

京都大学理学部数学科卒業。大阪大学大学院経済学

研究科、東京大学大学院法学政治学研究科修了。

東京大学法学博士。

 この間、フルブライト留学生としてアメリカに

留学し、ミシガン大学大学院でスーツ博士に計量経済学

を、マサチューセッツ工科大学大学院でサムエルソン

博士(1970年ノーベル賞)とソロー博士(1987年

ノーベル賞)に理論経済学を、

ハーバード大学大学院ではアロー博士

(1972年ノーベル賞)とクープマンス博士(1975年

ノーベル賞)に理論経済学を、スキナー博士に心理学を、

パースンズ博士に社会学を、ホマンズ教授に

社会心理学を学ぶ。

  (本データはこの書籍が刊行された当時に

 掲載されていたものです)

 硫黄島の戦いは、占領したアメリカをもってして、

「勝者なき死闘」と嘆ぜしめるほどの大激戦だった。

 私が長年大東亜戦争を研究してきた結果、軍人と

して最も尊敬するのは、

陸軍にあっては、栗林忠道大将、

海軍にあっては、山口多聞中将、である。

 今こそ硫黄島について、大東亜戦争について

学ばねばならぬことが沢山ある。

 戦争を起こさないようにするためにこそ、

戦史を学ぶのである。

 栗林中将は全将兵に対し、細々とした「師団長

注意事項」を通達している。

「将校も兵隊も同じものを食べ兵士の

栄養状態に気を配ること、そして工事中は

上官が見回りに来ても敬礼する必要なし」

 これは軍隊にあって全く異例の通達である。

 栗林中将は自ら率先してこれを実行、「予は常に

諸子の先頭に在り」と兵士の士気をあげて

合理的かつ効率的に戦闘準備を進めた。

 海兵隊はアメリカ軍でも特に勇猛なことで

知られている。

 その兵士全員が、さらに考えられないほどの

勇気を絞らなければ、硫黄島の日本兵と

戦えなかったのである。

 このことは、日本にとって、そしてアメリカに

とって大きな意味を持つことになった。

 アメリカは歴史こそ短いが、歴史教育には、

徹底したものがある。

 国家としてのアイデンティティを育成し、

現在そして将来にその教訓を生かすため、

必死になって歴史の研究を行っている。

 かつて私がマサチューセッツ工科大学で経済学を

学んでいたとき、MITの図書館には日本海

海戦の全資料が完全な形で揃っていた。

 大変な驚きだった。

 日本海海戦を勉強しようと思ったらMITの

図書館に通い詰めればいい。

 栗林中将は、騎兵中尉時代に機関紙に寄せた論文では、

将校が「軍事以外の知識に著しく低級」である

ことを問題とし、下士官以下に対しても礼儀を失わず、

身分人格を尊重して敬意を払うことを提言している。

 硫黄島において地下壕による複郭陣地作戦という、

前例のない戦いを行った想像力と実行力は、

栗林中将が「軍事以外の知識の著しく低級」な軍人

とは、一線を画していたことを物語る。

 硫黄島でのすさまじい損害がアメリカ本土で

報じられると、米国民から激しい非難の声が

上がったが、一方、海兵隊の任務がいかに

過酷であるかを広く知らしめることにもなった。

 それまで常に解散の危機と隣り合わせの存在

だった海兵隊だが、擂鉢山に星条旗が立てら

れたとき、「これであと500年、海兵隊は

安泰だな」と、フォレスタル海軍長官は

傍らのスミス海兵中将の労をねぎらった。

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   今回も最後までお読みくださり、ありがとう

               ございました。 感謝!

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