親族間の確執を知り家系分析し工夫・解消する 第1,407号

経営コンサルタントの天明茂さんによれば、
潰れた会社の再建のために社長さんの家系を調べ、
家族のあり方を見直すと、家庭内の人間関係が
よくなったり、経営が持ち直したり、慢性病が

治ったり、ということが数多くあるといいます。

家系と私たちの運命はどういう関係にあるのでしょうか。

※対談のお相手は、筑波大学名誉教授の村上和雄先生です。

…………………………………………………

(村上) 
家系図だけを見ても、
その背景にあるものまではなかなか分かりませんものね。

(天明)
私たち夫婦は両親と同居していたのですが、
私の父と妻との間に確執がありました。
しかし、調べていくと妻と父だけでなく、母と義理の祖母、
祖母と義理の曾祖母、曾祖母とその上の高祖母の間にも
似たような確執がありました。
同じパターンが何代にもわたって繰り返されていたんです。

このままいったら、今度は私たちが子供と争うことになる。
「うわぁ、これは何としても汚れた家系を正さなきゃ」と思って、
さらに調査を進めたら、他にもいろいろなことが見えてきました

例えば、曾祖父母は粟餅屋をやっていた
同じ名字の天明家に夫婦養子に入るのですが、
養家先の両親との対立が激しくなって養子縁組を解消し、
絶家していることが分かりました。

粟餅屋の両親が「このままだと絶家してしまう」と
泣いて頼むのを振り切って曾祖父母は家を出てしまう。
その時、曾祖父母は「勝手にしろ。
その代わりおまえたちが死ぬ時は馬乗りになって絞め殺してやる」
という捨て台詞を言われた、という話を
母が祖父母から伝え聞いていたというんです。

それを知った時には身の毛がよだちましたが、
そう思って改めて家系を調べていくと、
家系の中に首つり自殺をした人が何人もいたんです。
私にはまるで「首を絞め殺してやるぞ」という怨念の

ようにしか思えませんでした。

(村上) 
あまり知りたくはない現実ですね。

(天明)
でも、それを知ったことがかえってよかったです。
粟餅屋をやっていた天明家の墓を探し出し供養してから、
不思議とよいことが起こるようになりました。
妻と父の確執も不思議なくらいなくなりました。
というのも、確執の原因が家系分析によって分かってきたんですね。

父親は無口で陰険な人だったと申しましたが、
その背景を探ると、祖父が人の借金を肩代わりして返せなくなり、
父と父の兄が人質として百姓奉公をさせられていたことが分かりました。

早朝から夜中まで働きづめの中で父は、
祖父が借金をしてしまったために
自分たちがこんな辛い思いをしなくてはいけないという
惨めさをいやというほど味わうんですね。
その頃から、人を信用してはいけない、
お金は無駄に使っちゃいけない、
贅沢はいけないという価値観が培われていったようです。

(村上) 
そうでしたか。

(天明) 
だから、父は妻がちょっと美味しいものを作ると
箸をつけなかった。
妻にしてみたら「お父さんのために一所懸命料理をこしらえたのに、
きょうも食べてくれない。きょうもこんな皮肉を言われた」
と大変なストレスだったのですが、
父は決して悪気があったわけではありませんでした。

(村上) 
しかし、そういう背景が分かってくると、
対立していた相手の立場というものが理解できるのではありませんか。

(天明)
おっしゃるとおりです。妻の場合も、
「そうか、お父さんは私を嫌って食べないわけじゃないんだ。
贅沢ができないだけなんだ。だからお豆腐なら食べてくれるんだ」と。
それ以来、父には豆腐や目刺しを出し、
私たち夫婦はちょっと美味しいものを食べるようにしましたが(笑)、
そういう工夫をする中で妻も父を恐れなくなって
自分から話ができるようになったんです。
私は5人きょうだいですが、父は晩年、
きょうだいの連れ合いの中で私の妻を
「セツ子、セツ子」と一番可愛がってくれましたよ。

(村上)
そのように考えていくと、私たちは……

☆本記事の言葉は月刊『致知』2015年6月号 連載「生命のメッセージ」より
一部抜粋・編集したものです。続きは本誌をご覧ください。
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 今回も最後までお読みくださり、

       ありがとうございました。感謝!

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