人は『鬼の口』に飛び込む思いをしなければならない 第 97 号

一流の男の背景には必ず母親からの影響がある──。

財界の巨人・土光敏夫の背景にもまた、母・登美の影響が

色濃くあったといいます。

「人間というものは生涯にせめて 一度、「鬼の口」に飛び込む

 思いをしなければならない」

そう語る、強く逞しく生きた日本の母の生き方に注目です。

────────『今日の注目の人』──

◆ 土光敏夫の母の言葉 ◆

出町 譲(作家・ジャーナリスト)

───────────────────

登美の生きる姿勢は、土光(敏夫)の生き方と多くの面で重なる

ところがある。

例えば、非行を行った女子生徒三人に対して退学処分が下され

ようとしていた時のことだ。

当時校長だった登美が「退学処分は許しません。その娘たちは

私が預かります」と言い切って、教室に寝具を運び込んで、その生徒

たちと学校の中で寝食をともにしたことがあった。

当初、非行を働いた生徒たちは口を固く閉ざしたままだったという。

登美も自分から話し掛けることはなく、校長室でただ読経していた。

数日後、子供たちのほうから「先生、いったい私たちは何をしたら

よいでしょうか」

と尋ねてきたその瞬間を、登美は逃さなかった。

その後急速に登美に打ち解けた生徒たちは、素直になり掃除に勉強、

そして読経まで進んでやるようになったという。

土光もまた、いかに周囲から不良社員だというレッテルを

貼られた社員に対しても、そんな社員こそ自分の部下にしたい

ということを述べている。

作物と同じように早く芽が出る人間もいれば遅く出る人間もいる。

どんな人間であろうとも、人を切らない登美の姿勢は

土光にも受け継がれていた。

どれだけ年を重ねようとも次世代のためにという思いで、

骨身を惜しまずに学校建設に打ち込んだ登美の姿勢もまた、

80歳を超えて日本の国家財政の立て直しに尽くした土光の姿と

重なる。

「人間というものは生涯にせめて一度、『鬼の口』に飛び込む

 思いをしなければならない。

そういう機会を持たずに人生を終えるのは、恥ずかしことだ」

とは登美の言葉だが、まさに学校建設は登美にとっての「鬼の口」だった。

土光の場合、何度も「鬼の口」に飛び込んでいるが、これとて

母の教えに忠実であらんがためにしてきたことだったのではなかろうか。

 月刊誌『致知』 2016年3月号 特集「願いに生きる」より

      今回も最後までお読みくださり、ありがとうございました。 感謝!  

スポンサードリンク

♥こちら噂の話題満載情報♥

ぜひ、いいね!を「ぽちっ」とお願いします

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)