誠意を尽くせば必ず見えなかったものが見えてきます 第 123 号

創業期をいかに乗り越えるか。

それは逆境に立たされた時にどう生きればよいか、にも

通ずる生きた教えになってくれます。

イエローハット創業者の鍵山秀三郎さんが自らの体験から

掴まれた「確信」にぜひ触れてみてください。

────────『今日の注目の人』──

◆ 誠意を尽くしたと言えるか ◆

鍵山 秀三郎(日本を美しくする会相談役)

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一所懸命、一心不乱──

創業時の私は、ただただ夢中でした。人が10時間働けば、

私は14時間、16時間働きました。24時間寝ずに働くことも

よくありました。

当時は会社の車に乗り、しばしば遠方まで仕事に出向いて

いましたが、旅館に泊まる時間もお金もなく、いつも夜を

徹して走り続けるか、車中で夜を明かしていました。

いまのようにエアコンのない時代です。夏は窓を閉めて

寝ると蒸し風呂のように暑く、開ければ体中蚊に刺され

たものです。

冬は骨が凍るくらいまで冷え込み、目が覚めて体を起こす

とポキンと折れるのではないかと思うくらいでした。

そうした中で、先方が何を望まれているのかを必死で探り、

それに懸命にお応えして信頼を積み重ねてまいりました。

自分の体力、心を尽くせるだけ尽くして、なんとか毎日を

乗り越えていた私には、もっと上手くやってやろうとか、

もっと楽な方法はないか、などと考える余地はまったく

ありませんでした。

よく“あの手、この手”といいますが、人間には二本しか手は

ありません。

与えられた条件を生かしてやっていくしかないのです。

そうして至誠を尽くしていけば、必ず見えなかったものが

見えてきます。

どっちが東か西かも分からないような真っ暗闇の中でも、

いつか薄明かりが見えてくるものなのです。

これは私の体験から確信を持って言えます。もし何も見えて

こないとしたら、まだまだ誠意の尽くし方が足りないと

考えるべきです。

自分はこんなにやっているのに、などと思っているうちは

まだ駄目なのです。

この厳しい競争の時代に、そんな精神主義は通らないと

考える人も多いことでしょう。

しかし、昔から競争のない時代はありません。

実際に私自身も、大変な競争の中を歩んでまいりました。

他社が目にも留めないわずかな隙間に目を向け、それが

少しでも広がるように努力を重ね、道をひらいてきたのです。

 月刊誌『致知』『致知』2008年8月号 連載「巻頭の言葉」

      今回も最後までお読みくださり、ありがとうございました。 感謝!

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