異質な存在こそ自分を高める最高のスパイス 第 176 号

 人は誰でも、天才と呼べる未知能力を持って

いる! 自分の中に眠る未知能力をスパーク

させる方法とは? 世の中で天才と呼ばれ

る人たちは、生まれたときから天才

だったわけではない。

 意識的に、方法的に、さらに戦略的に、

“ブレイクスルー”の瞬間を経て、

天才になったのだ。

 黒澤明、手塚治虫、ゲーテ、ゴッホ、ビル・

ゲイツ…かの天才達が実践した「突き抜

けるための技術と極意」を学ぶ。

 本当に必要なのは情報ではなく

「編集する能力」だ。

 モーツァルトの頭の中には、彼以前の音楽家

の作品が、膨大な情報として蓄積されていた。

 そして蓄積された情報を自由自在

に操ることができた。

 その上で、自分なりのアレンジを加える

作業を積み重ねていくうちに、独創性

あふれる作品が生まれたのだ。

 過去の天才を自分の「心の師」にする。

 パソコンの時代こそ「メモ」が大切だ。

 創造の源となるトビウオは、カメラで

撮った情報そのものではなく、情報に

伴う脳の働きや心の動きである。

 黒澤明は、美術、文学、演劇、音楽と

いった芸術を貪欲に吸収し、26歳

で映画撮影所に入った。

 下積みの助監督時代、膨大なシナリオ

を書いていたことは有名。

 黒澤は分厚いトルストイの『戦争と平和』

を、シナリオを書くために20回読み返した。

 仲間と酒を飲んでいる時も、雑談の内容

からシナリオをどんどん構想していった。

 量的な蓄積が質的な変化を起こす。

 手塚治虫は1年間に365本の映画を

観ることを自分に課していた。

 ディズニーの『白雪姫』は50回、

『バンビ』は80回観たといわれる。

 「優れたものを徹底的に細分化して研究

する」という作業は、素人がプロの水準

に突き抜けるための常套手段だ。

 ビル・ゲイツが8歳のときに興味を抱いた

のは、分厚い百科事典のセットだった。

 全巻の完全読破を試み、5年間むさ

ぼるように読み漁ったという。

 ビジョンを明確に描けば迷わなくなる。

 相撲の世界でも、「三年先の

稽古をしろ」といわれます。

 いますぐ白星に直結するような小手先の

練習ではなく、3年後に安定した強さを

発揮できるような練習を積みなさい

ということ。

 もともと政治家だったゲーテが偉大な

文学者として、天才の領域に突き抜け

たのは、37歳で踏み切った、ある

能動的な行動のおかげ。

 ドイツからイタリアへ覚悟の逃避行をした。

 イタリアに滞在した2年間で、ゲーテは

一級品の美術、文化、人物と出会う。

 持っていた文学の才能を天才

の領域まで昇華させた。

 異質な存在こそ自分を高める最高のスパイス。

 齋藤孝

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  今回も最後までお読みくださり、

        ありがとうございました。 感謝!

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