人間が最も飛躍し、成長するのは決断した時 第 181 号

 初めての出会いから30年余──。

一道に徹してきた掴まれたお二人が人生

と仕事の極意を語った名対談。

 人間が最も飛躍し、成長するのはどんな

時だと思いますか?

 少しだけ考えてみてからお読みください。

────────『今日の注目の人』──

◆ 人間が最も飛躍し、成長する時 ◆

鍵山 秀三郎(日本を美しくする会相談役)

   ×

上甲 晃(志ネット―ワーク代表)

───────────────────

【上甲】

 鍵山さんには、私が政経塾を辞めて独立

した時にも大変お世話になりました。

 あれは私の人生で最大の決断でしたけれ

ども、鍵山さんから学んだことが決断

する上で大きな力になりました。

【鍵山】

 あれは確か、上甲さんが55歳になる直前で、

もう少し我慢すればいいじゃないか、と周

りから随分言われたそうですね。

【上甲】

 そうなんです。

 当時の松下電器では、55歳からは老後の

安定に繋がる制度がたくさんあったんです。

 にもかかわらず、54歳6か月で会社を

辞めたものですからね。

 あの時、松下幸之助は既に亡くなっていて、

松下電器の社長だった山下俊彦さんが政経

塾の責任者だったのですが、その山下

さんから、本社に戻ってくるように

言われたわけです。

 政経塾に携わるようになって14年

経った平成7年のことでした。

 その時に考えたのは、自分が政経塾で教えて

きたことと、自分の出処進退は決して無

関係ではないということでした。

 そして私が塾生に教えてきたことを

ひと言で言えば、「己の損得を

超えろ」ということでした。

 私はそれまで、政治家を目指す人が、自分の

選挙や出世のために平気で人を押しのけたり

踏み台にしたりする醜い姿を散々見てきました。

 それだけに塾生には、自分の

出世ばかり考えるな。

 己の損得を超えて、日本の損得、世界の

損得といった大きな損得を考えろと

繰り返し説いてきたんです。

 その自分が、さっさと松下電器に戻って

ぬくぬくとしておったのでは、自分の

言葉に対する責任を放棄したこと

になると思いましてね。

 あと半年待てばいろんな恩恵にあずかれる

けれども、この貴重な人生、そんなことで

時間稼ぎをしていてはいかんと考えて、

決断したわけです。

 その決断を経て、私は志の高い国づくりを

目指す志ネットワークを立ち上げ、「青年

塾」を主宰することになりました。

 あれは私の人生の一番の節目でしたけれども、

山下さんに自分の決意を伝えた後、最初に

ご相談させていただいたのも鍵山さんでした。

【鍵山】

 やっぱり人間が最も飛躍し、成長する

のは決断した時です。

 そしてそれは、私心を去った上での決断で

あることが条件だと私は思います。

『致知』 2016年4月号 

        特集「夷険一節」P68

今回も最後までお読みくださり、ありがとう

            ございました。 感謝!

 九 州 方 向 に 祈 り を こ め て !!

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