真っ白な世界にただ一人取り残されたような感じ 第 2,052 号

学生時代にがんを発症し、闘病生活を
続けていた山下弘子さんが25歳の若さで
亡くなったのは2018年3月25日。
『致知』特集に登場いただいた約1か月後の
ことでした。

取材で兵庫のご自宅に伺った時、山下さん
の体は全身ががんに蝕まれていました。
にもかかわらず、苦しそうな顔は全く見せず、
とても明るくインタビューに応じてください
ました。


ここでは亡くなる2か月ほど前の
山下さんのインタビュー内容を紹介します。

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(山下)

翌年4月、私は大学に復学しました。
最初の手術の後、2か月に1度、定期検診に
通っていたのですが、4月の検診で「今回、
ちょっと肺に転移が見つかりました」と告げ
られました。

私はこの言葉をにわかには受け入れられません
でしたし、実際「余命半年」と言われた時
よりもずっとショックでしたね。


またもや大学を休学して肺の4分の1と再発
のあった肝臓を少し切除しました。カテーテル
の手術、ラジオ波による治療を含めて、
これまでにした手術は数十回に及んでいます。


もちろん、がんを完治したい気持ちはやまやま
なのですが、いたちごっこを繰り返しながら、
何とかがんをなだめて共生しているというのが
実感ですね。


たぶん、その時その時、辛いことは
いっぱいあったと思うんです。でも,
あまり覚えていないことも多いんですよ。
人間ってうまくできているんだなって本当
に思います。例えば、肺がんの
治療中に薬疹が出たことがありました。


薬の副作用で体中が真っ赤になり、最終的には
頭にまで広がって地獄のような痒みを味わい
ました。

このままだと喉にまで広がって窒息死
するかもしれないという状況になって、
その時は確かに辛かったんですけど、
いまになってみると、どういう辛さ
だったかは忘れちゃった、みたいな……。

もちろん、私も落ち込んだり、その先にある
「どん底」までいったりすることがあります。
私の場合、辛いとか、悲しいという時は
「どん底」ではないんです。

「どうしよう」と泣いている時はまだ大丈夫な
証拠です。「どん底」になると思考が停止し、
頭が真っ白になって何も考えられないし、
誰の声も届かなくなります。真っ白な世界に
ただ一人取り残されたような感じですね。

主治医の先生に「いまのところ、もう打つ手
はない」と言われた時なんかは、まさに
そんな状態でした。

でも、全く誰にも会わずに一人でいる時間って
そんなに長くはありません。傍にいる人が
ちょっと声を掛けてくれるだけで、ハッと我に
返る瞬間があります。その時に初めて
人の優しさや励ましの言葉を受け入れて
立ち直ることができるんです。

いまが「どん底」だと分かれば、それ以上
に落ちることはない。あとは上がるしか
ないわけですから。


『致知』2018年3月号より

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  今回も最後までお読みくださり、

      ありがとうございました。感謝!

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